住宅ローンの金利が上がってきたから、家を買うのはやめておこう」
「もう少し待てば金利が下がるかもしれない」
「今のタイミングで住宅ローンを組むのは不安」
最近、住宅購入を検討している方から、このような声を聞くことがあります。
確かに住宅ローンの金利上昇は、これから家を購入する方にとって大きな問題です。
しかし、不動産会社として少し気になることがあります。
「金利が上がったから」という理由だけで、住宅購入そのものを諦めてしまってよいのでしょうか?
今回は、金利上昇局面で住宅購入を見送るべきなのか、今だからこそ考えておきたいポイントをご紹介します。
金利が上がると住宅ローンの返済額はどう変わる?
例えば、4,000万円を35年間、元利均等返済・ボーナス返済なしで借りた場合を考えてみましょう。
| 金利 | 毎月の返済額 |
|---|---|
| 年0.5% | 約10.4万円 |
| 年1.0% | 約11.3万円 |
| 年1.5% | 約12.2万円 |
| 年2.0% | 約13.3万円 |
※全期間同じ金利が続くと仮定した概算です。諸費用等は含みません。
年0.5%と年1.5%では、毎月の返済額に約1万8,000円の差が生まれます。
決して小さな金額ではありません。
だからこそ、金利上昇を不安に感じるのは当然です。
ただし、住宅購入を考えるうえでは、もう一つ見落としてはいけないことがあります。
金利が下がるまで待てば、本当に得なのか?
例えば、今4,000万円で販売されている住宅があるとします。
金利が下がることを期待して2年間待ったとしても、その住宅が2年後に同じ価格で購入できるとは限りません。
建築費や土地価格、住宅の需給によって、不動産価格は変動します。
もちろん、価格が下がる可能性もあります。
しかし、金利が下がることも、不動産価格が下がることも、確約されているわけではありません。
住宅購入を先延ばしにすることが、必ずしも有利になるとは限らないのです。
購入を待っている間にも家賃はかかる
現在賃貸住宅にお住まいの方は、もう一つ考えておきたいことがあります。
それは、購入を待っている間の家賃です。
例えば家賃12万円の住宅に2年間住み続けた場合、
12万円 × 24か月=288万円
の家賃を支払うことになります。
もちろん、持ち家にも固定資産税や修繕費などが必要ですので、家賃がすべて無駄というわけではありません。
ただ、住宅購入を2年間先延ばしにするのであれば、その間の住居費も含めて比較する必要があります。
「金利が高いから待つ」という判断にも、一定のコストがかかることを知っておきましょう。
金利よりも大切なのは「無理なく返済できるか」
住宅購入で本当に大切なのは、金利が高いか低いかだけではありません。
今の金利で借りた場合、無理なく返済を続けられるかどうかです。
例えば、毎月の住宅ローン返済額が12万円だったとしても、
・世帯収入
・現在の家賃
・教育費
・自動車ローン
・将来の生活費
・貯蓄状況
などによって、家計への負担は大きく異なります。
同じ4,000万円の住宅でも、無理なく購入できるご家庭もあれば、予算を見直した方がよいご家庭もあります。
金利の数字だけで購入を判断するのではなく、家計全体から考えることが重要です。
住宅購入には「タイミング」もある
家を購入する理由は、人それぞれです。
「子どもが小学校に入る前に引っ越したい」
「今の賃貸住宅が手狭になってきた」
「駐車場や庭のある家で暮らしたい」
「親の近くに住みたい」
こうした希望には、金利とは別のタイミングがあります。
仮に数年後に金利が下がったとしても、そのときに希望する地域や条件の住宅が見つかるとは限りません。
住宅購入は金融商品への投資ではなく、これからの生活を考える選択でもあります。
金利だけを理由に、家族の希望する暮らしを先延ばしにしてよいのか、一度考えてみてもよいのではないでしょうか。
もちろん、今は買わない方がよい人もいる
ここまで購入を見送ることについてお話ししましたが、誰にでも今の購入をおすすめするわけではありません。
例えば、
・毎月の返済額に余裕がない
・貯蓄がほとんど残らない
・転職や収入の変化を予定している
・希望する物件が見つかっていない
・将来の金利上昇に対応できない
といった場合には、無理に購入を進めない方がよいこともあります。
特に変動金利を選ぶ場合は、今後さらに金利が上がったケースも想定して返済計画を考えることが大切です。
「買うか、待つか」を決める前に一度計算してみませんか?
住宅ローンの金利が上がったからといって、住宅購入を諦める必要があるとは限りません。
反対に、今買えば必ず得をするというわけでもありません。
まずは、
「今の金利なら、いくらまで無理なく購入できるのか?」
を確認してみることをおすすめします。
予算を少し見直すことで、希望するエリアで住宅が見つかるかもしれません。
新築だけでなく中古住宅も検討すれば、選択肢が広がる場合もあります。
また、土地を購入して注文住宅を建てる方法もあります。
最初から購入を諦めるのではなく、今の条件でどのような選択肢があるのかを知ることが大切です。
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